2018

林田英子 「 十人十色 なげいれ花十二ヶ月 」
アーカイブ / 018

歳時記  夏 1


一木一草一花 | 歳時記 / 夏1


貝殻
30年前貝殻に魅せられ、夢中になり集めていた時期があります。ただ収集と言っても、美しい!おもしろい!という素人レベルです。
2018夏、何十年ぶりに<私の宝箱>開けてみました。その一部です。



ユニークな生態

クマサカ貝
貝殻収集のきっかけは下の写真↓「 クマサカガイ 」。殻にいろいろなものをくつけて生息しています。
そのおもしろさに、当時「え〜〜〜!」

下の写真のようにくつけるものの<好み>が違います。理由はわかっていないとのことです。

巻貝ばかり、くつけています。  2枚貝がお好み。その2枚外の内側が
全て外に向けられて付いています。
付けた殻が死骸であることを示し
捕食者から身を護っていると言われています。
 細かい欠片ばかし付けています
 小石もよく付けるものの1つ。
他にもいろいろなものを付けることが
確認されています。






■ 海の底の美術品
薄くて、軽くて、優美な美しさ
テンシノツバサ(天使の翼)  ニオガイ科  
 アオイガイ  カイダコ科





■ 螺旋の美
 オウムガイ
太古の化石と近い姿で現存している<生きた化石>の一つ。

オウムガイ (鸚鵡貝)

殻の断面
 チマキボラ



■切手に見る貝殻の意匠
  クロスジクルマ
英語ではアーキテクト(建築家)シェル。完全な渦巻きを示すものの1つと言われます。
 
オオイトカケガイ(大糸掛貝)
  日本郵便切手 | 夏のグリーティング 2015発行
切手
切手






■ カラフル

ヒオウギガイ(檜扇貝)

ウニ
(雲丹)

ウニはトゲを取ると こんなにカラフル

モノトーンのモダンな模様






 
■リュウキュウアオイガイ
英名は True Heart




(ブロークンハートといったところ)


リュウキュウアオイガイは
さまざまな固体色があります。


シュモクガイ
英名は White Hammer

 
(外側)

(内側)

シュモクガイは薄くて扁平。
名前は、仏具の鐘を叩く
「撞木(しゅもく)」に似ていることから。

マドガイ



(内側)         (外側)

マドガイは銀白色の半透明の殻。
とても薄く、撮影時の台紙の色が
少し映りこんで見える位です。
そっと触らないと縁辺りが欠けそうです。

この2ミリ程の薄さのペッタンコな殻の中に
生物が生息していると想うと不思議です。

ランプシェードやモビールなどに
よく使われていますね。






■「偕老同穴」


繊細に編まれた美しい籠のよう。「ビーナスの花カゴ」の呼称があります。


海綿生物
 カイロウドウケツ (カイロウドウケツ科)

下端の長い根毛で固着して、深海底に左の写真のように立って生息。触るとガラス質であることがわかります。
中には透明な「ドウケツエビ」が 番いで1組寄生。死ぬまで中に住みつきます。
(→中で成長して大きくなるので、もう出られなくなる…)
この生態が「偕老同穴の契り」の言葉の由来。

  四字熟語
「偕老同穴―かいろうどうけつ 」 

『生きては偕に老い、死んでは同じ墓に葬られる夫婦の固い契り』の意。
現代においては、この意の実際は、変わってきているかもしれません。








画像無断転載を禁じます。
(C)2012 林田英子 なげいれ花十二ヶ月 教室
Repost is prohibited.