なげいれ 花の教室 
2018
林田英子


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なげいれのすすめ
受講生の方へ 10のメッセージ

四季の息吹を 日々の暮らしに -自然の草木をいける
受講生の方へ
 <おすすめ> 「美」の書籍


 
  四季に習う
自然を読む
 
「なげいれ」は自然に適い、私の心に適う花。

季節感を大切に、草木の<いのちの姿>を尊び、美しい日本の花の詩形を求めていきます。


四季の巡りの中で、風霜晴雨 厳しい自然に曝されながら、草木は時々刻々変化し、変貌します。
その風姿に目を留め、心を重ね、対話し、生かす。
「なげいれ」は型も流派もありません。それはとらわれない自由さ、裸眼で見つめ、感じ、思うことであり
本質なき<自由勝手流>とは違います。
また、<心に適う花>といえど人の<固執・我意>は、「花」本来の自然の気配を濁らせ、消してしまいます。


花たちの声なき声を掬うことに専心し、自然に貞
、自然に習う謙虚さが、なげいれの大事の一つです。


   
   山路来て何やらゆかしすみれ草  芭蕉  ゆかしい花の名
古里の記憶
  口に唱え、耳に聞こえてくる野の草々の名は、
一瞬にして、遠い日本の原風景の記憶を呼び覚ましてくれます。

秋の七草 (万葉集 山上憶良 巻八 一五三七、一五三八)   
  秋の野に咲きたる花を指および折り かき数ふれば七種ななくさの花   
  萩の花 尾花 葛花 瞿麦なでしこの花 女郎花おみなえし また藤袴 朝貌の花   
  春の七草    
  芹、薺なずな、御形おぎょう、繁縷はこべら、仏の座、菘すずな、清白すずしろ   
   

古より、詩歌に詠まれ、絵に描かれ、工芸意匠に耀く、「美」に結実した一木一草一花。
いのちのかたちとして、心の在りかとして、人々の中に思い起こされ 生き続けています。


 
  四季一生
花は人なり
四季一生、師の教えの一つです。
芽吹き、咲き初め、繁茂し、結実、紅葉、やがて末枯れて散り逝く、花の一生
その一木一草一花の移ろいを見続けていくと、折々に、琴線に触れる花の風姿と出合います。
言いかえれば、それは自身の一つの<こころのすがた>との出合いでもあり
草木の誕生から死、再び生へと 毎年繰り返される<いのちの実相>は
まさに「花は人なり…」と、感じずにはいられません。

そして…
美に昇華した「花」は、単に<きれいなお花>ではなく、「ハナなるもの…」の魂の気配を纏います。

そのことへの気付きが身の内に宿るには、自身ずいぶんと長い年月を要しました。
いや、まだまだまだまだ…、頭を垂れ、花に貞き続けなければならない旅の途中です。


 
  野草を育てる
花ごころの種を蒔く
春!
黒い土を割ってツンと出てくる草々の芽生えは、何とも幸せな時の訪れです。
「再び1年よろしく…」の挨拶をします。
狭いベランダに置かれた1鉢1鉢に水を与え、日々見続け、声をかけるしかできませんが
花たちは静かにその営みを続け、毎年美しい姿を見せてくれます。



人見るもよし、見ざるもよし、われは咲くなり 
(武者小路実篤)
<私>という小さな自己の意識が強い時代にいると
自然界の草木の有り様には、手が合わさります。
 


 
    発見の美
裸眼
  あなたは何に心が留まったか!その初動が重要です。
「なげいれ」の花は、心の針が振れずして、1本たりとも花を入れることはできません。
<花材>を綺麗に整える、形を作りあげる、などは本題ではないからです。


常日頃、裸眼で自然を見続けていると、あなた目線の<発見の美>を得ることができます。
<花のいのち>と向き合えるか、
単なる<花材>と思うのか、途は分かれます


 

   鮮度
  なげいれの花は、即決・即断は、大事の一つ。
瞬時に「美」の耀きを感じ、摑む。そして水に放つ。

目垢・手垢が付くという言葉が「美」の世界にありますが
延々ああでもないこうでもないと、我意執心で花を触りきっていると
<鮮度>は落ち、輝きも失せてしまいます。花も器も。

花の意思をおもってみる-、大切かと。



 
     いのちの滴
こころ澄む
なげいれの原点は、茶事にて亭主自らが花を心入れする、<侘び茶の湯の花>の精神にあります。
花を清め、器を清め、場を清め
、心入れした一輪の花は、澄みきったいのちの滴

花なるもの…その空気感に辺りは清められます。
稽古場でも、一番にお伝えしたい、花をいける心ばえの一つです。


そして、時節の花を育てるたのしみ、花のいのちを頂く感謝の気持ち、供するよろこび。
そうした花と向き合っていく中で、無私の清らかさというものに気付かされていく…
解せても、人はそのようには実際なかなか生きられません。
しかし、花をいけるには、抱えていなければならない<大事>と思っています。



   
      五感
「感応力」は力

先人は花のいのちの移ろいを、咲き初めの清新な「初花
生気みなぎる今を盛りの「当季の花」、過ぎ去っていく花の余韻「名残り

一つの<花.>に三つの季節一花三季」と言い表し、その時々の美しさを繊細に読み取りました。


豊かさとは
「ちょっと・少し・わずか・かすか・ほのか・ささやか・こまやか…」というようなことを
「さやか」に感ずる能力から生まれる。(野口三千三)


普段見慣れた身近な景色の中にも、<美しいもの>は多く潜んでいます。
日々の気付き、五感を研ぎ澄まし、全身で感じ取る。
それは、草木への<こころの目>が、一つ、また一つと開かれていくことであり
瞬時に「美」を摑む・読む<眼の力>へと育ちます。


   
   見えてくる花…
鎮まる
  <見せる ! 花>、そして<見えてくる…花>へ

それには、「私」という<自分濃度>を薄めていく意識をもつことも一つかもしれません。
「小さな自己へのこだわりは、サッサと自ら蹴飛ばしたらいい」、ずっと以前、心に刺さった師の言葉です。



   
    最後に…
野の花と仲良くなろう
  教室では
あなたの周辺に在る、心に留まった草・木・花、庭の花、ベランダの花…勿論雑草も
わずかでいいのでお持ちください、と長年お声かけをし続けています。


春ですと、菫、土筆、蒲公英、薺、蕗、筍なども持ってみえます。
梅雨の頃には透明感ある山紫陽花、露草、昼顔をはじめ、
青桃、青梅、枇杷、木通、桑、椿の実、青柿、など、お庭のまだ青い実のものも登場します。
真冬、大雪の翌日に箱にを詰めて、稽古場にお持ちになった方も-。

持ってみえる方は、水揚げも、花の運搬の際の繊細な諸注意も、自ずと身につけていかれます。
お教室で用意した花材も、そのあと上手に手を掛け、1年後に再び連れてみえます。
名前のわからない雑草も、<雑草という名の草は無く…>それぞれ調べておられます。

皆さん、少しずつ<なげいれの花心>を育み
暮らしに、花育が取り込まれるようになって居られるようです。



なげいれは<好き!>という心の傾きが原動力。
足元の草々に目を落としてみましょう! 木々を見上げてみましょう!

できれば草花を育ててみましょう!
ベランダでも、山野草を育て楽しんでおられる方は多くいらっしゃいます。
なげいれはあなたができる<心の提出>を求めています
そこからなげいれの第一歩が始lまるからです。
それぞれの方の、「ハナ」への心の発芽…、望んでいる稽古場です。  



おすすめです

「美」の書籍

芸術新潮

「たてはな神話」
6年間連載(全69回)
2006/1~2011/12
    
川瀬敏郎作品集
一部です
一日一花
2012
神の木
2010
今様花伝書
2002
四季の花手帖 [1] 春~夏へ[2] 秋~冬へ
2002
Inspired Flower
A
rrangements
1990
花会記
1990
花と器
1983


川瀬敏郎先生 和道 日本文化 心のしきたり 美のこだわり」 |対談連載
2015年 日経ビジネス ON-LINE (web)
花道編:第1回   花をたてること  様々な伝統文化の第一人者との対話を通して、
 日本人の精神の原風景や 美意識の源流を辿り
 解き明かしていく。
(コラム紹介文より)
花道編:第2回   花をいれること
花道編:第3回   花をいけること
花道編:第4回   花が「花」になる


 月刊 「 なごみ  淡交社 (茶道美術図書出版) 
2018/1月号より   <花屋さんの茶花こぼれ話> 連載  能村菊人 花長店主
1月 正月の空を舞う突羽根 5月 今も咲き続ける大山蓮華 9月  たかが薄、されど薄
2月 茶席に春を呼ぶ檀香梅 6月 本当の鉄線 10月
3月 ひな祭りの後こそ見頃の花桃 7月 桔梗は夏の花? 秋の花?  11月 
4月 思い出の風景がよぎる都忘れ  8月 復活をとげた仙翁花  12月 




酒井抱一
江戸琳派の全貌 
鈴木其一
江戸琳派旗手
(図録)
 百椿図
根津美術館
(舘蔵品図録)
 並河靖之七宝
(図録)
驚きの明治工藝
(図録)
衆鱗図(第一~四帖)
香川県立ミュージアム (舘蔵品)


草づくし
白洲正子 著
1985
 茶花の話
西堀一三 著
1998
骨董をたのしむ
花の器づかい

1996
お茶人のための
茶花の野草大図鑑
改訂版
花にもの思う春
白洲正子の新古今集
白洲正子 著 1997
尾崎左永子の
古今和歌集・新古今和歌集
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宮廷文化を伝える風物たち
猪熊兼樹(文)林美木子(有職彩色)
源氏の由可里
和菓子 源氏物語
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白川静の世界
漢字のものがたり
2001
白川静
漢字の世界観
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2008
生命の樹・花宇宙
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2000
かたち誕生
図像のコスモロジー
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1997
比叡山回峰行
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野口体操(野口三千三)
感覚こそ力

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春宵十話
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(数学者)
2006


 植物記
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 たねの旅立ち
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1997
Im eisigen Weiss 洋書・2016
Vincent Munier
(ネイチャーフォトグラファー)
ヴァンサン・ミュニエ(仏)

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