Album 14   十人十色なげいれ花十二ヶ月 2018/3



 












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「辛夷 コブシ

立春を過ぎた頃から、<辛夷>が登場します。その花の清らかさは、春浅い時候の清冽な空気感が感じられ、とても好きな花木です。
モクレン科の辛夷は折れやすく、ためる事ができません。いける前段階で、「美しい姿」をとらえ、そのまま入れることのできる「枝取りをします。
今、咲かんとす<莟>の状態を選びますが、暖房が効いた室内では一気に莟がほどけてきます。開くと花弁がそりかえってしまい、初々しい表情はほんの一時です。
稽古場では、咲き始めの<辛夷>をご用意しますので、早めに取りかかるよう-お声かけするくらいです。
3月になり春めいてくると、少女のような面立ちの辛夷は何処へか去り、同属のふくよかな魅力の白木蓮、紫木蓮に季節は移ります。
辛夷は日本に自生する花木ですが、木蓮の原産地は中国です。


菜の花が辛夷の開花を誘うかのよう…

和毛(ニコゲ)に覆われた莟。中央の莟に開花の兆し。



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