2019.4  林田英子教室 十人十色 なげいれ花十二ヶ月  受講のお問い合わせ 
著書 <なげいれ花稽古帖> アーカイブ no.28 プロフィール 


異形の花


4月に入ると武蔵鐙ムサシアブミ、蝮草マムシグサ、雪餅草ユキモチソウ、浦島草ウラシマソウなどのテンナンショウ属の仲間が登場してきます。
稽古場でも、皆さん結構お持ちになります。これほどの姿ですから、1人称でいける以外のお相手探し…となると思案します。



<たをやめぶり>の雪餅草
<新羅 鈴杯>
 

蝮草・菫・烏野豌豆  <古瀬戸破れ瓶子 鎌倉期>

雪餅草・笹 |  弥生土器
2021
 
武蔵鐙・雪笹   
<時代 古銅広口瓶>
 
<ますらをぶり>の武蔵鐙
<青銅末広花入 中川浄益作


浦島草・風鈴苧環 (今年) |<ガラス華瓶 瀬沼健太郎作
 
浦島草・雪笹 
この上の写真の浦島草は、ベランダで育てておられるとのこと。
「ベランダにこの人が居ると、薄暗くなった頃などはちょっと怖くないですか?」と思わず聞いてしまいました。
用心棒に一役かってくれているのかもしれません。
今年は可憐なピンクの風鈴苧環を嫁がせました。
浦島草の気持ちを聞いてみたいです。



2022/5/19 「日々、咲く花」の 画像

   

 
武蔵鐙 | 白磁掛花入 朴英淑作 2020.10
お庭で武蔵鐙を育てておられます。 | 白磁掛花入 朴英淑作
  
 武蔵鐙の実・木通 | 時代仏器 2020.11
上の掛け花(白磁花入)の1か月後の武蔵鐙です。
緑から赤へ!大変身です。
   武蔵鐙の実・忍冬 | 唐物鍍金花入 2021/091




八手・蛇苺  <時代 仏器>

八手
 ヤツデ



八手 (花芽) <弥生土器>

八角連 ハッカクレン



八角連・諸葛菜 <常滑大平鉢>
普段見かける常緑の低木。八つの手が人を招くとされ
縁起がいい庭木として植えられています。
左の八手を見た時、歳月によるその尋常でない変貌のさまに
とても驚きました。幹
からだは歪み、冷え枯れ
ここまでの極みに至った一つの凄さ…
人間の「老い」に重ねて見てしまいます。
 
八角連は、ツヤツヤとして厚みがある大きな葉形。
鈴を付けたかのように、深紅の花が数輪咲きます。
おばあさまが培われたお庭からお持ちになりました。
溌溂としたご本人を映したかのような
すくすくのびやかに育った草木花を連れてみえます。



今回は、<特異な人たち>だけのの集まりになってしまいましたので
最後はその濃厚な空気を、春の名残りの軽みある花でしめくくります。

末枯れ松・二輪草・風鈴苧環 | 新羅小壺



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