富山の山奥 五箇山 上平村への旅
こちらは五箇山の山中の奥深い村です。 平家の落ち武者が逃れ来て住み着いた隠れ里だという伝承が残り、確かに富山の平野とはずいぶん異なる独特の生活習慣や工芸が残っています。 ちなみにすぐ裏の白川郷とともに、合掌造りの里として世界遺産に指定されている集落もこの辺りです。 40年前から私の実家と付き合いのある五箇山出身の料理人の方が、奥様の実家の何百年物の古民家を改築し20年程この地でレストランを経営されています。 「もっきんど 楮こうず」 五箇山 | 旬の季節料理処 普通は「こうぞ」ですが、こちらは「こうず」と読みます。古くて黒光りのする立派な柱や梁、囲炉裏や、里でも作れる人の少なくなった藁の工芸品などを見せていただきました。
五箇山への訪れで一番感銘を受けたのは、奥さんのお父様が孫や子供たちにイグサで編んであげていたという「蛍籠」です。 実用的でありながら幾何学的な美を備えています。 子供が採った蛍を1匹入れてこの籠を明りに夜道を歩いてる情景を目に浮かべてその風雅に打たれました。 こんな発想は(私含めて)平地の富山県民からは出てこないので やはり京から逃れ落ちてきた雅な平氏の末裔の方々なのかもしれません… ● 蛍つながりでは、初夏に咲く花「蛍袋」もその釣鐘形の花の袋の中に蛍を入れて子供が遊んだことが名の由来です。(H) 2022/10/2 <蓼藍> 「藍を飲む」 ![]() 「蓼藍の生葉をいただき、自宅で乾燥させました。」 (写真 K.yukiさん) ● お稽古場の皆さんへ「お茶に―」とお持ちくださった「蓼藍」。(写真上・下) 藍染の染料ですが、飲食としての「藍」の効能はこの時にうかがい、知りました。 5分程煮だして飲むとおいしいそうです。 漢方薬としての歴史もあり、「藍商人は病気知らず」と言われたそうです。(H) ![]() 「藍の葉は、藍染を藍から育てている友人より、飲む用に分けて頂きました。」 9/1 葛に魅せられて 葛苧-葛糸作りから葛織まで
2022/7/31 蓮を育てる O.yasukoさん
蓮は大変でしょう? とお声掛けしましたら 「蓮の花が咲くのが楽しみ~という気持ちでいますので、大変というよりはワクワク、今年咲くかなぁ~って。 今夏3年目に花芽が出たときはワァーと思いましたが 最初小さいものは2つくらい成長しませんでしたので、今年も無理なのかなと思ったりしました。 でも、3番目の花芽が成長して白い蓮が咲いた時は、嬉しかったです!!」 (Oさん) 今年は「蓮を育ててみます」-と伺って3年が経ちました。 有言実行で、先頃<花便り>を頂きました。Oさんの喜びが伝わってきます。 近年伺っただけでも、稲作り、葛苧作り、千成瓢箪作り、茶葉 (枇杷・桑・どくだみ)作り、そして今年の蓮作り。 いずれも一から本格実践されておられ、とても感心しております。※このページの↓5/15付 9/27付でご紹介しています。 この「日々咲く花」で受講生の皆さんに紹介できることも、嬉しく思っています。(林田)
2021/12/20 <自然物>を花のうつわに 朽ち竹 ![]() (写真 K.yukiさん) 「1か月ほど前に友人の竹山を歩いていましたら、朽ち竹の切り口が15㎝程 土中から出ていて、あっ!と足が止まりました。 雨上がりでしたので、優しく揺らして掘り起こしてみたところ、底の部分がふっくらと丸くなっていて !!! 泥を落とし1か月間外干ししたのちに、見立ての器として中に<落とし>を仕込み、置き/掛け 両用で使えるようにしました。」 (Kさん) ● なかなかに風趣な朽ち竹。、寸法も縦35cm、横15cm、奥行き10cmと大きく、迫力があります。 Kさんは福岡からお稽古にいらっしゃっており、その日は特大スーツケースで それに入れてお持ちになったようです。 花への情熱があればなんのそのなのでしょうね。Kさんに<数寄心>が育っておられることを嬉しく感じます。 朽ち果て、打ち捨てられたものの中にも「真」は眠っています…(H) 2021/12/5 料理の彩り 「季節の葉っぱ」たち 柿の照葉 ![]() 器 | 柿の照葉 お品 | ひと口寿司 (サーモン角切りと潮漬け紫蘇の実の混ぜ酢飯に いくらと菊花乗せ) 先週、お弁当の差し入れを頂戴しました。 (むかご飯・ふり照焼き・菊花・蓮根きんぴら・アスパラ菜・ほうれん草・大徳寺麩くるみ和え・赤カブ・のりしぐれ) 「七草」店主、前沢リカさんのお弁当。折箱の蓋を開けるとまずその美しさに気分が⤴⤴⤴。 中に緑/黄/赤と色づいた1枚の柿の照葉が素敵に添えられていました。 そして心尽くしの一品一品。素材の味を徹して大切にされているので、癒しオーラが口に広がります。 「からだにやさしい…」と実感できる、滋味深いお弁当です。(H) ↓ 「今年の11月は実家へ2回帰省できました。帰省の際、お隣さんの柿林でたくさんの柿の葉を摘ませて頂き、東京へ持ち帰りました。 ちゃんと手当てをすると1週間は元気な状態です。11月は柿の葉を料理に添えました。 (下) 柿の葉を積んだ後、すぐに水通ししたものです。」 (Mさん) ![]() 「年明けの1月下旬~2月にかけては、椿の葉を用いて甘味に椿餅を作ります。 季節の移ろいと共に、春はワサビの葉、初夏は朴葉、夏は梶の葉、晩秋は柿の葉、冬は椿の葉… 様々な葉が料理に彩りを添えてくれます。草木花と二人三脚で料理を仕上げているような気がします。 折々の季節の恵みに感謝の気持ちでいっぱいです。」 (Mさん) ● 柿の葉は厚く艶もあり色鮮やかですので、食の彩りとして最適なのでしょうね。 ご自身で採取してご準備されていたとは…まさにお花好きの証。 柿の葉は、他にも柿の葉鮨、柿の葉茶、柿の若葉の天麩羅など、食に生きる柿の葉っぱですね。(H) 2021/7/31 草木を食す | 「草木たちって素晴らしいです」 柿の葉茶 ・枇杷茶・ 桑茶・ どくだみ茶
5/1と本日5/15、2回も休講となってしまったクラスの方からお便り届きました。
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2020/9/27 千成瓢箪 [2] ※7/1 掲載の千成瓢箪の「その後…」です。 写真 O..yas koさん
● 来年の挑戦は伺いましたが、日々花へご報告頂くまで、楽しみにお待ちしたいと思います。 その植物は「種からだと一年目は花が咲かないらしいので、本年より仕込みました。バケツに15くらいあります。」と。 瓢箪作りは、種だし作業が超!!大変と聞いたことがあります。 水に浸ける方法だと、途中の腐敗臭気は周辺にまで…夏の暑さの中で3週間は悠ににかかるらしいです。 Oさんは、瓢箪の種だし専用の培養液(すぐれもの!!) 使用されたそうです。 手のひらに乗るこのかわいらしい瓢箪。クラスメートの方にプレゼント。 私も頂きましたので、針金を通して掛花入に仕立てました。 (H) 2020/7/1 千成瓢箪 [1]
栽培のお話を伺ったとき、大きな瓢箪をイメージしていました。 千成瓢箪は手のひらに乗るくらいの小さなもので、鈴なりになるので夏場<緑のカーテン>として育てることもあるようです。 020/8/18 <葛苧>づくり
(左)葛の葉、(右)その葛の蔓を生成して作った葛苧です。写真はK.Yukiさんから届きました。 2枚の写真をモダンな空間に並べて飾ったら art workのようです。 ● 20代後半からお稽古に通われて10年、今春、福岡に帰郷されたK.yukiさん。 これからも稽古は通われるご意思なのですが、全国的コロナ禍にあって、自粛欠席の選択をなさっておられます。そんな中 「稽古に通えない今、何か花と触れ合うことはできないかな〜と、自宅まわりの葛から葛苧→糸をを作ることを始めました。 まだまだ、試行錯誤中なのですが、葛の蔓をゆがき→発酵させたのち →川の水で洗い、 白い繊維が出てきた瞬間は、なんとも清らかな気持ちになりました。 」 との嬉しいお便りをいただきました。いい時間を過ごされていますね。(H) ※<葛苧>づくりについては、以前、他ページでご紹介しています。 2020/5/8 「花なる食」 <みどりのちらし寿司 ![]() (4月は こごみ 菜の花 スナップ豌豆 アスパラガス クレソン ズッキーニ 木の芽 7点 ) 写真提供 M.rikaさん ↑ 今年は新緑の美しい時季に、皆さんと<緑を生ける>清々しさを楽しむことができませんでした。 そこで、きょうはこの時季ならではの癒される「花なる食」をご紹介します。 写真=<みどりのちらし寿司 >は新緑の風情にあふれた ごちそうちらし寿司です。→ 「七草」 店主 前沢リカさん。 緑一色の盛り付けは美しく、まさに緑を食べるお弁当です。華道の<一色物いっしきもの>に通じるものと思いました。 「七草」という店名の通り、季節に寄り添う気持ちを食に込め、からだが癒される料理を提供されておられます。 野の草花が大好きな方で、私のお稽古場でも、花と向き合っておられる姿に花への慈愛の深さを感じております。
● 林田英子教室 | なげいれ花十二ヶ月 アーカイブ 日々咲く花 (C)2012 林田英子 なげいれ花十二ヶ月 教室 Repost is prohibited. |